アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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やはり問題があると思う。特定秘密保護法案について

今週末にも成立の可能性がある特定秘密保護法案。日々の余裕のなさから自分自身の考えをまとめることができていませんでしたが、やはり問題があると思います。少し長くなりますが…


ひとつは、制定の主な目的が「保秘を徹底しないとアメリカから重要な極秘情報が提供されない」とされていますが、この法律があったからといって本当に極秘情報が提供されるようになるのかとの疑問。

二つ目は、政治家や官僚がこの法律を悪用し、特定の情報について都合よく秘密指定しようとした際のセーフティーネットがないことです。
特に二つ目の問題については、僕は自分自身の新聞記者時代の経験からも、その危険性を感じています。

数年前に取材した、とある県の公共事業の入札。
県側が入札結果を不正に操作し、特定の業者に落札させた競売入札妨害の疑いが濃厚でした。県警が動きましたが、捜査は2か月ほどで事実上打ち切られました。当初から現場の捜査員も捜査2課の幹部も、僕に対して「クロ」との見方を示していたのに、です。
捜査打ち切りの理由についての捜査2課の幹部の説明は、大まかにいえば「落札から外された業者が問題のある業者だから」というもので、それまで県の幹部が僕に対して暗に訴えていたことと同じものでした。
要は県が「この業者だけは落札させたくない」と考えて入札を操作したと考えられます。県警もそれに理解を示したのか、県から県警に圧力があったのか…

いずれにせよ、どんな理屈があったとしても、これは犯罪です。情報公開請求で県の担当者の当時のやりとりを明らかにしようとしても、核心部分が黒塗りされた文書が出てくるばかりでした。

強調したいのは、「行政組織は時に、一見まっとうに聞こえる独特の理屈で、誤った判断をすることがある」ということです。


どんな組織でも、どれだけ優秀な官僚や政治家でも、判断ミスや過ちはありえることです。


自民党幹事長の石破茂氏は著書「国防」の中で、自衛隊の存在についてこんな趣旨のことを述べています。

「『日本が他国から攻撃を受けることはないだろう』というギャンブルに国民を巻き込むわけにはいかない」

要は、どこかの国が暴走して日本を攻めるという可能性が未来永劫完全にゼロではない以上、どれだけ反対論があっても軍備は必要だ。万一攻撃を受けた時に政府が「国を守る備えをしていませんでした、ごめんなさい」と白旗を揚げるわけにはいかない、ということです。僕はこれは正論だと思っています。

この視点を渦中の特定秘密保護法案に置き換えると、官僚や政治家が判断を誤る可能性がゼロではない以上、秘密指定が恣意的な運用にならないよう、個々のケースについて正しいか間違っているかを判断する第三者機関が絶対に必要ではないでしょうか。これを最低限クリアするべきだと思います。

僕はこの法案が成立したからといって、「戦争ができる国になる」「一般市民が突然逮捕される」といったことに直結するとは思っていません。日本の民主主義はそれほど低レベルではないと信じたい。でも、「政府や官僚の判断は常に正しい」という過信を感じる現在の内容では、絶対に認めるべきではないと強く思っています。
by yagitakuma | 2013-12-03 17:24 | 日々のよもやま | Comments(0)