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アルプスをつなぐ街から~八木たくま日記

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増え続ける大型商業施設やチェーン店、郊外に広がり続ける住宅街…。伊那市にとって、これでいいのか?

12日(金)は6月定例議会で一般質問に立ちます。時間は午前10時過ぎから。
その内容を事前にお伝えしておきます。

伊那市では現在、大型商業施設やチェーン店が増え続けています。
数年後には小黒川サービスエリアにスマートインターが新設される予定で、国道153号線のバイパスの開通も控えています。

新しい幹線道路やインターができれば、当然その周辺には商業施設の進出が進むことが予想されます。宅地開発も進むでしょう。

店が増えること自体は、生活が便利になり、競争によって市民の利益にもなる。宅地開発が進めば、若い人が家を建てやすくなる。

しかし、人口減少局面を迎えた今、このままでよいのでしょうか。

問題点はいくつかあります。

・既存の商業施設が衰退し、特に中心部が空洞化する
・自然に抱かれた伊那市らしい景観が変わってしまう
・今までの住宅街の高齢化が進み、空き家が増える

商業施設が増え続け、そして人口が減った時、外部資本のチェーン店は撤退も素早い。大手が撤退し、個人店はすでに激減していた…という状況になりかねない。近所にあったスーパーが撤退したら、車に乗れないお年寄りはたちまち買い物弱者となってしまう。
無秩序に郊外の宅地開発が進めば、上下水道などのインフラ整備にもお金がかかる。

そろそろ「どんな街が伊那らしいのか」ということを、市民みんなが意識すべき時期だと思います。
商業施設が増えることは、たしかに便利にはなります。

しかし便利さだけを求めていては、全国どこにでもあるような、ロードサイドの商業施設に埋め尽くされた街になってしまう。真に魅力あるオンリーワンの地方都市になるために、50年後、100年後の街のビジョンを作っていかなければなりません。
伊那市の現状を写真で見てみます。

南北軸となっている国道153号の変遷を比べてみると…。

現在「旧道」と呼ばれている駅前商店街。
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空き店舗が増えています。

天竜川の西側に整備された現在の国道153号。
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ロードサイドの店が並んでいます。チェーン店が多いですね。

そして現在事業が進んでいる153号バイパス。
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近年途中まで開通した伊那市北部の福島地区では、田畑だった場所に大型商業施設が相次いで進出しています。写真を撮っていて気付いたけど、建設工事が始まっている。また何か店ができるようです。

この道が天竜川の東側の地区を貫き、南隣の宮田村まで続くことになります。開通すれば、この道路の周辺で商業施設の進出や宅地開発が進む可能性があります。

そうなれば、現在の国道沿いの店はどうなるのか?旧道沿いの商店街と同様に、空き店舗が増える可能性もあるでしょう。

すでに旧道沿いの伊那市駅周辺では、廃墟となりつつある建物が増えています。
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この流れが加速することは、防がなければなりません。

次に景観の問題。

伊那インターへのアクセス道路が象徴的です。

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アクセス道路上部の南箕輪村地区。ロードサイドの店が並んでます。
これが、数百メートル下って伊那市地区に入ると…
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看板はあるものの、田畑が広がる昔ながらの景観。
この差は、アクセス道路の開通当時、南箕輪村では商業施設の進出がOKとなり、伊那市地区ではそれを許可しなかったということです。
賛否両論あるでしょうが、南アルプスを目の前に望むこの道路は、景観を守る方向で良かったのではないかと思います。

今後整備が進むバイパスでも、景観を意識した街づくりが必要なのではないでしょうか。


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数年後に予定されている小黒川スマートインターの周辺も、すばらしい景色なんです。写真ではアルプスが雲に隠れていますが‥。

みなさんはどう考えますか??

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

一般質問で事前通告した内容も全文載せておきます。
これから長い目での議論が必要になってくるテーマです。
ご意見をお願いします!!
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平成27年6月定例会一般質問要旨
4番 八木択真

【1】国道153号バイパス・小黒川スマートインター完成に向けて、周辺の開発を適正に進めるためのビジョン作りを

小黒川スマートインターの完成と、国道153号バイパス福島―美篶間の事業が具体化しています。いずれも完成後は、周辺での住宅開発や商業施設の進出が予想されます。近年、伊那市内では大型商業施設やチェーン店の進出が進みました。開発や商業施設の進出は、地域の経済活動の活発化につながり、周辺住民の生活が便利になる一方で、景観の変化や既存の商業への打撃等影響は大きく、周辺でどのような地域作りを進めるのかについて、50年後、100年後の市全体のあり方を考えながら慎重に検討する必要があります。
全国各地の地方都市で、道路整備にともなって郊外のロードサイドに新しい商業施設が乱立し、結果として既存の商店が衰退したり、郊外での住宅開発によって既存の住宅地が空洞化するという事例が長く繰り返されてきました。その結果、どこの地方都市も量販店が立ち並び、その土地の個性が感じられない街並みになっています。
伊那市内でも、古くは現在の153号が開通した後、西春近周辺に大型店が相次いで進出しました。近年でも153号バイパス開通後、福島周辺に大型店が立ち並ぶ結果となっています。人口減少局面を迎えた今、これ以上の商業施設の増加が良いことなのか、考える時期に来ているのではないでしょうか。
スマートインター、153号バイパスという大きなプロジェクトの実現が目前に控えている今が、市民の皆さんに伊那市らしい街づくりがどうあるべきなのかについて、考えてもらう好機なのかもしれません。以下について市長の見解をお聞きします。

(1)153号バイパス、スマートインターの完成後、周辺でどのような街づくりを想定するのか、現時点での市の見解をご説明ください。(周辺の用途地域区分の状況と、農業振興地域指定の状況、その変更があり得るのかどうかについても合わせてご説明をお願いします)
(答弁)

(2)153号バイパス、スマートインター完成に向けて、周辺の開発について市民の希望や意見をどのように反映させるのかについてご説明ください。(住民への説明会の有無や、実施地区の範囲についてもご説明をお願いします)
(答弁)


(3)市内では現在、住宅や商業施設のスプロール化が進行しており、153号バイパスやスマートインターの完成で加速する可能性があります。この現状についての問題点と対策について市長の見解をお聞きします。
(答弁)


【2】大型商業施設やチェーン店の相次ぐ出店について

(1)近年、市内で大型商業施設やチェーン店の出店が相次いでいます。市民生活が便利になり、店舗間の競争が市民の利益につながる一方、街の個性が失われたり、既存の商業地域の衰退等の影響もあります。市内の古くからの事業者からは、「一定の規制をかけるべき」との声も上がっています。出店が相次ぐ現状を市としてどう捉えているか、また、「規制が必要では」との意見について、市長の見解をお聞きします。
(答弁)

(2)地域の中で経済を循環させるためには、地元資本の商業施設や地域住民による個人店を応援する意識が市民の間で醸成できれば理想的だと考えます。市としてどのような施策が考えられるのか、市長の見解をお聞きします。
(答弁)
by yagitakuma | 2015-06-10 03:12 | 八木たくまの伊那市議日記 | Comments(2)
Commented by いとう岬 at 2015-06-11 20:55 x
中心地域に絞れば、地域発展に無理解な大地主があぐらをかいている状態ではどのようなグランドデザインをたてても徒労に終わるでしょう。現在、個々に行われているような努力によって衰退を遅らせることくらいが限界でしょう。
一旦は行き着くところまで行ったあと、(地主部分を計算にいれずに)居住地域化を中心に再開発すべきでしょう。
新しい道路に沿って、新しい資本による店舗などができるのは(法律の規制が緩くなった現在では)止められません。
しかし、伊那市全体のグランドデザインをしっかりと練って、それに添った景観条例や町並み条例などで、住みたいまちとしてのあるべき姿へ誘導してゆくことは可能だと思います。現在は、なすがままに町がどんどん変容しています。
例えば「伊那市の近未来会議」などに、様々な分野の有識者を結集してそのための鳥瞰的モデルをつくって、理想的に姿に誘導してゆくようなことができれば、光明が見えてくるような気がします。
Commented at 2015-06-12 20:15 x
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