卒業式シーズン。
先日来賓として呼んでいただいた伊那市東春近にあるNPO保育園「はらぺこ」の卒園式が、衝撃でした。
「保育園落ちた日本死ね」論争が盛り上がりましたが、その問題の根本がどこにあるのかに、気付かされました。
私たちは、今のこの日本は、大切なものを置き去りにしている。
この社会は、本来は子供たちの笑顔のためにあるべきなのではないか。
今後の自分の道しるべになるような、
そんな場になりました。
僕が言葉を尽くすより、
写真を見ていただければわかるはず。
卒園した子供たちは、8人。
一人ひとりの個性が輝いていた。
そして、こんなに素晴らしい土地で、僕たちは生きている。
民家を改装した小さな園舎。
卒園証書の文面は、なんと一人ひとり違い、心がこもった手書きです。
ある男の子の保育証書
「あなたは山の遊び舎はらぺこで
雨の日も風の日も雪の降る日も
そして晴れた日も
四年間元気に おもいきり遊びました
あなたはまるで野うさぎのように
駆けてきて
幼き者を苦境から救い出し
五月に吹く風のようにすがすがしい気持ちを
みんなに分け与えました
みんなあなたが大好きです
四年間
どうもありがとう」
卒園のプレゼントは、なんとナイフ!!
来賓あいさつも、子供たちの目線で。
特技披露!①
特技披露!②(笑)
みんな着替えて、お散歩に出発!!
俺、スーツ…(泣)
昭和の雰囲気!!
驚くのは、これが特別な遠足ではなく、これが日常だということ。
子供はみな、こんな環境で育つべきだと強く思いました。コンクリートやアスファルトに囲まれ、ゲームばかりの生活が、子供たちにとっていいわけがない。大人になってからの生きる力に、大きな差が出るのではないか。
そんな環境をなぜ子供たちに与えてあげられないのか。
なぜ子供たちにとって良いとは言えない環境の都会に、人が集まるのか。
その最大の要因は、地方に仕事がないことです。地方ならではの仕事を生み出す自由な発想を持つ人材が不足しているからです。それは、横並びで決まり事ばかりの教育にも問題がある。
この「はらぺこ」は、「やっちゃダメ」がほとんどない。子供たちは自然から、たくさんのものを吸収している。これからの時代に必要な自由な感性、自由な発想は、このような環境から生まれるのではないでしょうか。
そして、行政の問題。
地方自治体は長く、自分たちで地域ならではの仕事、産業を生み出す努力をしてこなかった。
国からの公共事業に頼り、自然をコンクリートで固め、箱モノばかり作ってきた。
ようやく国が「地方創生」を叫んでソフト関連の補助事業を打ち出していますが、地方自治体で進めているのは、本当に効果があるのか疑問を感じざるを得ない事業が多い。
この3月議会の予算審議でも、それを痛感しました。
もう、発想を転換するしかない。
国は財源を地方に移し、地方が自由な発想で地域ならではの産業を生み出していくしかない。
財源を移してもらうためには、行政も議会も住民も、「国まかせ」「役所まかせ」の思考を変えていかなければならない。レベルアップしないと、無駄な事業のオンパレードになってしまう。
過去の価値観、発想の延長に、地方の未来はない。
それを、強く感じています。
「はらぺこ」の子供たちの笑顔に、国と地方の問題と、未来が、見えてきた気がします。
気合が入りました。