アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

yagitakuma.exblog.jp
ブログトップ

身近な落とし穴・闇バカラ場潜入ルポ。バドミントン選手賭博問題に関連して

忙しくても毎日、新聞には目を通しています。
今朝の新聞で目に止まったのは、バドミントンの五輪候補選手の闇バカラ賭博問題。

「スポーツばかりで世間を知らなかった」「自覚がなかった」と、いろんな見方があると思います。
 
この件に触れた知人のブログを読んで、自分の大阪時代を思い出しました。

きっと一般の感覚では違法賭博は遠い世界だと思いますが、このような場所は意外と身近にあるんです。今回の闇バカラの店があった錦糸町はアングラな雰囲気があるそうですが、僕が記者時代に担当だった大阪・ミナミの繁華街の一角にも、そのような場所がありました。
 
当時僕が書いたルポを読んでいただければ、身近にある「落とし穴」の危険性をわかっていただけるのではないでしょうか。

c0283938_2454049.jpg

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産経新聞2011年2月18日大阪夕刊

大阪府の橋下徹知事が誘致を主張しているのをきっかけにカジノに関する議論が盛んだが、大阪・ミナミなどの繁華街には、すでに違法カジノ店が存在している。そこには暴力団の影が見え隠れする。ミナミの雑居ビルにあった違法カジノ店の1つに潜入すると、そこに転落への入り口がみえた。(八木択真)

「カジノいかがですか」
1月下旬、人通りがまばらになった未明の繁華街を1人で歩く記者に黒いスーツ姿の男が小声で話し掛けてきた。バカラゲームができる店だという。
誘いに乗った。

店に連絡しているのか、男は携帯電話で話しながら古びた雑居ビルに案内した。最初の場所から数十メートルほどしか離れていない。ビルの入り口に立っていた男とエレベーターを降りると、目の前には雑居ビルに不似合いな重厚なドアがあり、頭上には監視カメラがあった。
男は無言。
数秒待つと、ドアの鍵が解除された。違法カジノ店は日常のすぐそばにあった。

ドアが開くとすぐにもうひとつのドア。その先が“賭場”だった。
中学校の教室ほどの広さで、緑色のバカラテーブルが4台。平日にもかかわらず20人ほどの客が座っていた。
制服姿の若い女性がおしぼりを手に、「案内するので少し待ってください」という。
酒と、たばこは無料だが、わずか数十秒で終わる1回のゲームの賭け金は最低でも1口3千円だった。
ひっきりなしにゲームは繰り返されていた。
1日で莫大(ばくだい)な金額が動くことが想像できた。

客には落ちついた雰囲気の中年男性もいれば、水商売風の派手な化粧をした女性、ホスト風の服装の男性もいる。
ホスト風の男性は、流れるような手さばきでカードを操るディーラーの手をにらみつけていた。
恰幅(かっぷく)のよい中年男性が不機嫌そうに1万円の札束をテーブルに投げ出し、チップにかえた。負けが込んでいるのだろうか。
危険な雰囲気だった。

「酔っぱらいすぎてるから今度にする」。店員に声をかけ、店を後にした。
       ◇    
ミナミにはバカラやスロット、ポーカーといった違法カジノ店が少なくない。常連客しか入れない店も多いというが、街角で客引きをする店もある。今回、紛れ込んだ店はそのタイプだったのだろう。
別の機会に数年前までミナミでバカラ賭博にはまり、計数千万円負けたという40代の男性店主に取材できた。男性は闇カジノについて、「金額が大きくて、最初に勝つとはまってしまう。でもトータルで客が勝つことはありえない。のめり込んだヤツはみんな転落していく」と危険性を口にした。
「店には『トイチ』(10日で1割)や『明けイチ』(翌日に1割)の法外な金利のヤミ金もいる。熱くなって手を出して、蒸発したり風俗店に売られていった人間もいた」
と話した。

これらの店は暴力団の資金源になっているとみられるが、多くは監視カメラや定期的な場所替えで摘発を逃れてきた。大阪府警のある捜査関係者は摘発の難しさを指摘した上で、 「“捕まり役”の店員を捕まえても、背後関係が明らかになることはほとんどない。裏社会に金が流れるくらいなら、合法カジノができてもいいと思う」と話した。
しかし先の男性店主は、合法カジノができても闇カジノは消えないとみる。
「繁華街から近い場所に作り、24時間営業にしないと、いつでもやりたい『中毒者』は闇の店でも通う」と話した。
       ◇
【用語解説】バカラ
ヨーロッパで誕生したとされるトランプを使ったカードゲームで、ブラックジャックなどと並んでカジノでの代表的なゲーム。胴元側と客側のそれぞれに2~3枚のカードが配られ、その合計が9に近い方が勝者となり、客はどちらが勝つかを予想する。数あるカジノゲームの中でも、高額な金を賭ける客が多いとされる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最初は勝たせてもらえて、のめりこむ。
店の思うツボです。
そして、仲間と一緒に悪いことを経験するのは、楽しい。
まだ若くて、自分の立場を考えるといかに危険かということがわからなかったのでしょうか。

報道では、今回のバドミントン選手が出入りしていた賭博店には、写真付きの会員名簿があったとか。そんな店に関わった選手たちは、「世間知らず」だったということなのでしょう。店が摘発されたら、自分たちの違法行為も明るみになるくらい想像できそうなものですが…

有望な選手がこんなことで将来を棒に振るのは、もったいない。
再起はできるのでしょうか。

さあ、7時間後には、先日ブログでご紹介したNPO保育園「はらぺこ」の入園式。
アングラな話題から一転、心を洗われてきます!!
by yagitakuma | 2016-04-09 02:48 | 日々のよもやま | Comments(0)