アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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2000万人→6000万人?で、いずれ伊那にも外国人観光客が来る。大阪でインバウンド政策を考えた

私用で伊那を離れていることに心苦しさもあるので、伊那にも還元できる大阪の話を。

近年、大阪に来て感じるのは、インバウンド(訪日外国人観光客)のすごさです。街を変える威力がある。
増え始めたのは、7年ほど前だったと思います。僕が産経新聞の大阪社会部にいた時代。「なんかウルサイ集団が増えたなぁ」と思っていたら、今では観光スポットが中国人を中心とする外国人観光客で埋め尽くされています。

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道頓堀。

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黒門市場。

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増加し続ける需要に対応するために、あちらこちらでホテルの建設が進んでいます。

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前は小さなカフェだった場所が、ゲストハウスになっている!!やはり需要があるんだろうな。

一方で、中国が「爆買い」対策として関税を引き上げた影響がモロに出ていて、家電量販店やドラッグストアは、かなり静かになっていました。商業者が努力して勝ち取ったものではない“特需”は、一瞬で消える可能性がある。踊らされてはいけませんね。

日本を訪れる訪日外国人数は急激に増え、年間2000万人に達しています。
政府は2020年には倍増の4000万人を目標とし、2030年には「6000万人」を掲げています。近年の実績を考えると不可能な数字ではないでしょう。
すでに大阪や東京では宿が取りづらくなっており、いずれ外国人観光客の波は、確実に地方にも流れてきます。

伊那市として(伊那谷として)、どのようなビジョンを描くのか、意思統一が必要です。積極的に誘客するのかどうか、団体ツアー客を狙うのか、どの国をターゲットとするのかによって、地域に与える影響は大きく変わってきます。そもそも、住民にとって「来てほしい」存在なのかも含めて議論が必要ではないでしょうか。

大阪の観光スポットの現状を見ると、外国人の団体ツアーがドバっと訪れるようになると、地元の人は、まず足が遠のきます。街を知る立場としては「消費されている感」がハンパない。ゴミも出るし、トイレも汚れて、その対策にお金もかかるでしょう。商業は潤いますが、良い点ばかりではありません。
ただ、人口が減少し、経済が縮小する地方にとっては、チャンスです。

重要なのは、ターゲットをきちんと定めること。
個人的には、東南アジアの団体ツアー客を狙うべきではないと考えています。理由としては、上に書いたような観光地としての弊害もありますし、なにより伊那は、宿泊のキャパを考えると大観光地を目指すには無理があります。

欧米を中心とした通な旅行者をターゲットに、「日本の地方の暮らし」を体験できるようなコンテンツの情報を発信し、「100人が100回訪れたくなる」ような、「そこに暮らすように旅ができる」場所を目指すべきだと考えています。2~3日の休みで「ちょいと日本に行ってお城見て買い物しようか」という中国・韓国の旅行者と、飛行機代に十数万円かけて訪れてくれる欧米人とでは、旅に対して求めるものも変わってきます。

ちょうど昨日の新聞に、外国人観光客の観光の内容が多様化しているという記事が載っていました。体験型観光の人気が高まっており、そば打ちやリンゴ収穫体験の利用者が急増しているとのこと。
チャンス!!
この手のコンテンツは、伊那にはたくさんあります。

そば打ち、リンゴ収穫ならどこでもできる。ハチノコをとる「スガレ追い」なんかもおもしろいかも。パワースポット、農村歌舞伎、赤提灯や横丁、傾いたソバ屋、レトロな街…。

課題は、情報を整理してターゲットに向けて効果的に発信できるかどうか。
このような情報を参考に、戦略を練りたいところです。→「外国人観光客が訪日前・訪日中にチェックする情報メディア・サイト19選」

ただし!!
これを役所や観光協会がやると、「旅行者が喜ぶ情報を精査して発信する」ことが難しい。公平性が求められるため、「観光協会の加盟店・加盟施設の情報を全部並べる」となるから。

これは民間でやるしかないのかも、と思います。本当にオススメな店や場所を選んで発信する。伊那ならではの体験ができる小さなツアーを企画する…とか。
よく考えると、これって、国内観光客の需要を掘り起こすためにも、重要ですよね。
伊那は、まだできていない。

すぐには利益にならないし、あまり誰もやっていない分野なので大変ですが…

んん??
誰もやっていないってことは…

職種によってはオイシイ話かもしれませんよ。
by yagitakuma | 2016-10-19 08:54 | 地方創生の現場から | Comments(0)