アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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希望を信じること。絶望に寄り添うこと。「はらぺこ」子育てを考える集いに参加して

今日は、ドキュメンタリー映画を観てきました。
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伊那市東春近のNPO自然保育園「はらぺこ」主催の子育てを考える集いです。
保護者の方にお誘いをいただき、軽い気持ちで参加したのですが……
涙、涙。

映画は、ドキュメンタリー作家・伊勢真一さんの「風のかたち」。
小児がんと闘う子供たちと医師たちを、10年にわたって追いかけた作品でした。

小児がん。
白血病や脳腫瘍、悪性リンパ腫など、子供が発症するガンの総称です。
子供1万人に1人の割合、年間2000人以上が小児がんと診断されているそうです。子供の死亡原因としては、事故の次に高い。

作品は、抗がん剤や放射線治療による苦痛や死の恐怖と闘いながら、それでも希望を捨てず、周囲への感謝と優しさをまといながら成長していく子供たちが描かれていました。

「病気になったのが、家族の中で自分でよかった」
「いろんな人にお世話になったから、人の役に立つ人間になりたい」

驚くほど大人で、前向きな姿に目を奪われ、かえりみて「五体満足な自分はどうなのか」と考えさせられる時間でした。

「不治の病」とされてきたこの病気も、医療の進歩によって今では7~8割が治るそうです。「お母さんになる」「看護師になる」-。作品ではカメラを回し続けた10年の歳月の中で、病に打ち勝ち、夢をかなえた子供たちの今も、映し出されていました。たとえどんな病気や障害があったとしても、決して不幸なだけではない。そう思わされました。

一方で、2~3割は助からない現実もあります。
いじめや、周囲の無理解の残酷さもある。
患者となった子供たちの闘いは、病だけではない。

上映後は、伊勢監督の講演と意見交換がありました。
午前中の上映に来ておられた、ある親御さんの感想。

「私にもガンの娘がいます。光をもらえた気がします」

ともに希望を信じ、絶望に寄り添い、他者への理解と眼差しを忘れない世の中になってほしい。ありきたりな感想ですが…。

この「子育てを考える集い」、今回で9回目だそうです。はらぺこの保護者の方々がテーマを決め、1年間をかけて学ぶ会とのこと。子供を通して子育てや社会のあり方を考える場となっている。

子育てや社会とこれだけ真正面から向き合っている保護者の輪があることに、驚きました。
このような場が増え、「自分ごと」として考える方々が増えることが、強く優しい地域につながっていくのではないでしょうか。
by yagitakuma | 2016-12-11 22:47 | 日々のよもやま | Comments(0)