原点を忘れないということは、とても大事だなーと思った1日でした。
日曜日にアスタルシードルクラブのメンバーで行ったリンゴの収穫作業。
「伊那で実り、伊那で醸し、伊那で味わう」をコンセプトに始まったオリジナルシードル造りも、4シーズン目を迎えました。来年のリリースに向けて、仕込みが始まっています。
この日は中央アルプス山麓のリンゴ園で、メーンの品種「フジ」を収穫。
醸造所、酒販店、そして飲食店関係者が集まり、ワイワイと作業が進みました。
本場の仏・ノルマンディー地方の昔ながらの製法で、ドライで豊かな味わいのアスタルシードル。ありがたいことに知名度も上がって造る量も年々増え、「東京でも売ってほしい」という声もたびたびいただきます。
もっと量を増やして東京に売り込み、稼ぐ路線を目指すべきでは…と毎年悩みますが、やはり「造る人、提供する人、味わう人、それぞれが楽しみながら」という原点を大切にしないといけない、とあらためて思いました。
それを実感したのは、醸造してくれている伊那ワイン工房の村田さんの言葉。
収穫したリンゴをコンテナに移す際、一つひとつ、丁寧に、並べておられました。
この後外部の加工場に持ち込んで果汁を絞る作業を依頼することになるのですが、「雑に放り込まれたリンゴと、丁寧に並べられたリンゴは、加工場でも扱いが違うもんです」と。
なるほど。
たくさん造って東京に売り込もうとすれば、一つひとつ丁寧に並べる余裕なんてなくなるでしょう。そうやって、少しずつ最初の想いからずれていってしまうのかもしれない。
儲けることはとても大切ですが、このアスタルシードルはこのままの路線でいいと思う。
伊那の人気店「創作バルFLATT.」のゴリくん一家の子供たちが、いつの間にかものすごく戦力になっていることにびっくり。
収穫後はみんないい顔です。僕はこの後風邪でダウンしましたが…(笑)
素晴らしい環境で丁寧に育てられたリンゴ。シードル。
こんな豊かな取り組みに関われることに、感謝です。