アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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2016年 09月 29日 ( 1 )

乗客1人に8000円の税金を使う意味があるのか-南アへの直通バスについて。9月議会一般質問より①

猛烈に忙しい日々もようやくひと段落。今日からは9月議会の一般質問で取り上げた内容のご報告です。

今回は市長が力を入れている山岳観光の費用対効果を検証し、中心市街地の活性化をからめて様々な方面からぶつけました。

山岳観光に投資するのは必要だと思いますが、どうも「どこに予算を使って、どこで経済効果を得て回収するか」というビジョンがまったく見えないんです。民間の経営者感覚ではありえないお金の使い方をしていると言わざるをえない。

その顕著な例が、登山客増加のための「二次交通」です。
まずはそこから検証してみます。

伊那市は3年前から、茅野駅と南アルプス戸台口を結ぶ直通バス「ジオライナー」を運行。今年から木曽福島駅と戸台口の直通バス「パノラマライナー」の運行も開始しました。JRバス関東に委託し、乗客が少なくて赤字になった場合は伊那市の予算から補う-という仕組みです。

これらに関しては、登山客が伊那市内を素通りするため、「地域にお金を落としてもらう」という観点で効果があるのか疑問だ、ということを委員会では何度も指摘してきました。3年目となりましたが、今後も税金を使い続ける価値があるのでしょうか。
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木曽福島駅に停車中のパノラマライナー号。僕も実際に乗ってみました。
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お盆の土曜日にもかかわらず、乗客はわずか4人でした…

まずは、この2つのバスの乗客数と使ったお金の額を。

茅野‐戸台口のジオライナーから。
26年度の乗客数520人。赤字補てん額69万3000円。PR経費を含めると約100万円。
27年度は乗客数318人。赤字補てん額102万8000円。PR経費を含めると約265万円…。


26年度は1人乗ってもらうのに1332円を伊那市が支払っている。
27年度にいたっては、1人乗ってもらうのに8333円…

これって、意味があるんでしょうか。

続いて木曽福島‐戸台口のパノラマライナー。
初運行となった28年度の乗客数は191人。赤字補てん額は60万6000円。PR経費を含めると150万円。
1人乗ってもらうのに7853円。

うーん。これらの支出は、市民の税金です。

たくさん乗ってバス路線として黒字になればいいのですが、3年目となったジオライナーも、今年は8月末までの乗客数が初年度の8割ほどにとどまっていることを考えると、今後も増える可能性は低いと考えざるをえません。ずっと赤字分を税金から補てんし続けることは目に見えています。

ちなみに、パノラマライナーの乗客数「191人」のうちの2人は、調査のために乗った僕がカウントされています…。

これに対する市長の答弁は、「PR経費として、東京などJRの駅に大型ポスター900枚を掲出してもらった。本来であれば1億円から2億円かかるポスター掲載費を無料でしてもらって、南アルプスや伊那市の宣伝をさせてもらった。単に高いからやめるのではなく、伊那市の山岳の宣伝も兼ねているという理解をしてもらえれば」
というもの。

質問を終えた後、そのポスターの現物を見させてもらうと…
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「JRで行く南アルプス」。

これって、ほぼJRをPRするポスターでは?
「JRの鉄道とバスに乗って山に行こう!」という内容。JR東海が展開した「そうだ、京都へ行こう」的なものじゃないか。
「1億から2億かかるのをタダにしてもらった」とホクホクしてるのが滑稽な気がする…。お金がかかる一般企業のPRポスターとは性質がまったく違うでしょうに。

しかもこの内容のポスターを見て、「よし、伊那市に行こう!!」ってなるのでしょうか。
あわただしく人が行きかう駅で、このポスターを見ても伊那市のポスターなのか山梨県南アルプス市のポスターなのか、わからないのでは?
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小さく「パノラマ伊那市」とデザインされてはいるけど…。

問題点はまだあります。
これらのバス、伊那市中心部など、店や宿が集まっている場所に登山客が降りるような設計になっていません。要は、山と都会との往復のためだけとなり、お金が落ちない。使ってくれたとしても、戸台口にある3セク施設の仙流荘くらいでしょう。

さらに、これらのバスはハイシーズンのみの運行で、この時期の週末や連休はすでに山小屋がキャパオーバーとなっているんです。

どこをどう考えても意味が見いだせない。
市長のトップダウンで始まった事業で、職員の中からも疑問の声が上がっています。山岳関係者からも「意味がない」との声しか聞こえません。

市長はいち議員の意見を聞くタイプではないので、おそらく今後もこのバス事業を継続するでしょう。
あとは「市民がどう判断するか」です。

同じカテゴリー「白鳥市政の問題点」の過去記事はこちらから→http://yagitakuma.exblog.jp/i24/
by yagitakuma | 2016-09-29 17:58 | 白鳥市政の問題点 | Comments(0)