アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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カテゴリ:街のhappy news( 4 )

ある常連さんと、子供たちのこと。

はしばのことを、すごく愛してくださっているカップルがいる。
いつもカウンターで肩を並べて、忙しいときは注文のタイミングを気遣ってくれて、静かに、でも本当に楽しそうに、いろんな日本酒を、丁寧に飲んで、食べて。そんなお二人。

初めての旅行で出会った酒、昔のバイト先に置いてあった酒。
教えてもらった二人の思い出のお酒は、切らさないように気を付けていた。

でも、この夏ごろから来店が途切れ、どうしたのかな…とずっと気になっていた。

今日、また来てくれた。

彼女は、ソフトドリンク。

「飲めなくなっちゃったんですか?」
「はい」


少し恥ずかしそうに。
オメデタだった。
そうだったのか!!

今日は旦那さんも1杯だけで、幸せそうに帰って行った。

なんだか胸がホカホカする。
そして、これから生まれてくる命を思うと、「頑張らねば」と思う。

昨日はひょんなことから、ある幼稚園の参観日を見学させてもらった。
園児の作品発表の部屋。赤ちゃんの小さな手形の作品から、年長さんの「落ち葉と会話して」言葉を綴った作品まで。命が生まれ、育まれていく様子に目が奪われた。

この子たちは、大人がいないと生きていけない。
子供たちのために、大人たちが、地域が、自分が、何をすべきなのか。

この社会は、社会を未来へと引き継いでくれる子供たちが真ん中であるべきだと強く思う。
我々は子供たちのことを、徹底的に考えているだろうか。

そんなことを思う週末の夜。
でも今日は、乾杯だ!!
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by yagitakuma | 2016-12-02 23:50 | 街のhappy news | Comments(0)

伊那まちにある素敵なラーメン店の話

僕はそれほどラーメン好きではなかったんですが、伊那には素敵なラーメン屋さんがあります。伊那まちには、素敵な人がたくさんいます。思いがあふれる店、人。

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こってり豚骨が売りの、JR伊那市駅前の小さなラーメン店「原点」には毎夏、道行く人の目をひく巨大な横断幕が掲げられる。その理由について初めてじっくり話を聞いたのは、2015年の夏。ある野球部の夏が終わった翌日だった。

「横断幕、はずすぞ」
その日の朝、店主の酒井孝志さんが突然、妻のなみよさんに声をかけた。
「なに言ってんの!?まだほかの高校が残ってるじゃない!」

前日、店から近い県立弥生ケ丘高校の野球部が、夏の県大会初戦で姿を消した。春季大会ベスト8でシードを勝ち取り、「もしかしたら甲子園に」との期待が高まっていた。3年生エースを直前の練習試合の大けがで欠き、失意の敗退。店の前は、その野球部生の通学路だ。
「あいつら、ここを通るんだぞ。毎朝…」

酒井さんが高校野球を応援するようになったのは、15年ほど前。客の高校球児たちに、「たまには応援に来てください」と言われたのがきっかけだった。初めて訪れた練習試合で、その真剣さにのめり込むことに。夏は店を休んで応援に駆け付け、次第に勝ち上がる高校が出始めたころ、「本当に甲子園に連れてってくれるんじゃないかと」横断幕を作った。

「若いころは高校生たちにとって、俺たちがいちばん近い大人だったと思う。みんなよく来てくれたし、今では県内で監督やってる卒業生もいるよ」。店内の壁には、球場に掲げられた寄せ書きがずらりと並ぶ。

上伊那8校の夏が続く限りは掲げている店頭の横断幕を「下ろす」と言い出した酒井さんの脳裏には、10年ほど前、失意の夏を終えた後の球児の忘れられない表情がある。同じようにエースをけがで欠いて敗退した弥生ケ丘高校。そのエースの同級生が、学校に行かなくなった。毎朝店に立ち寄っては、黙ってテレビを見てどこかへ消える。それに寄りそいながら、球児たちの夏への熱い思いを感じた。「彼も今ではいい会社に入って、子供連れてくるけどね。前は、野球しかなくて夏が終われば何をしていいかわからなくなる子が多かった」と振り返る。
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店には今でも、連休になると元球児たちが行列を作る。不慮の事故で亡くなった元野球部マネージャーの母が、「球児たちに食べさせてあげて」と毎年寸志を届けに来る。

そんなつながりが今年2月、断ち切られそうになった。酒井さんが腰を痛めて店で動けなくなり、休業。医師の診断は「入院半年、完治まで1年」。伊那まちでは「もう無理らしい」との噂が流れた。入院の末、かろうじて動けるようになった頃には夏は間近だった。渋る医師を「家庭の事情が」と押し切り、6月に店を再開させた。

常連たちとの高校野球談議は再開したが、今年の上伊那勢は早々に敗退。「また甲子園が遠くなっちゃいましたよー。還暦までに連れてってくれないと、応援にいけないよ」と笑う。

この店ののれんをくぐると、夏が少し熱くなる。
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写真は昨年撮らせてもらったものです。
現在はまだ昼だけの営業ですが、ぜひ足を運んでみてください。
by yagitakuma | 2016-07-14 18:38 | 街のhappy news | Comments(0)

お菓子屋さんと犬と家族とフリーペーパー

すごくいい風景だった。

「おとーさん、着いた!!」
「さあ、買うよー」
伊那市中心部の川沿いにたたずむシブいお菓子屋さん「たまや」。
犬2匹と親子連れが、お買い物。

店のお父さんも出てきて、犬を交えて世話ばなし。顔が見える商店街ならではの、幸せな家族の光景ですよね。思わずカメラを向けた。
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しっかしこの写真、我ながらベストショット!!

最近、伊那まちの冊子作りに追われています。
伊那商工会議所の勉強会をきっかけに生まれたプロジェクト。
伊那まちの価値、商店街の意味って何だろう。
時代の流れに押されまくってるけど、消えていいものなの??
そんなことを考えながら。

ボランティアライター八木、原稿の締め切りが迫って余裕なし。
昨日議会の所属委員会の来年度予算審議が終わり、今日は商店街のフリースペースでカンヅメで作成作業。

大変だけど、少しづつ形になってきた。
出来上がりが楽しみです。
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by yagitakuma | 2016-03-15 13:44 | 街のhappy news | Comments(0)

出会いと再会とサンドイッチ

偶然の出会いは心があったかくなります。

二週間ほど前、とても印象に残る出来事がありました。

夕暮れ時に、信大農学部の先輩が伊那市駅前で始めたカフェに行こうと歩いていた時。
先にお店に向かっていた彼女が、ボストンバッグと手土産風の紙袋を手にした初老の男性に声をかけられている。

事情を聞くと、おじさんも同じ学科の先輩だった!!
同窓会で四十数年ぶりに伊那を訪れ、学生時代の家庭教師先の生徒さんに会いにきたらしい。

「このあたりだったはずなんだけど…ずいぶん変わってしまって……」

当時のおじさんの家庭教師先は、「仕立て屋さんの向かいにあった左官屋さんの家」。でも、今では付近に仕立て屋さんも左官屋さんも、跡形もない。

近くに洋服直しのお店があったので、何かわかるかもしれないと思って案内してみた。
おじさんは店の中で長々と話していたが、僕も気になって立ち去れない。

しばらくしておじさんはがっかりした様子で店を出てきた。
「もうずいぶん前に引っ越して、どこに行ったかわからないと言われたよ」。

僕の記者魂に火が付く。
新聞社時代、事件の容疑者の人生をたどるために、かつての住居を延々とたどる取材を何度も経験してきた。(おじさんの生徒さん、容疑者と同じにしてゴメンナサイ)

とりあえず生徒さんの当時の家の場所を確定させるべく、近所の家のインターホンを鳴らしまくり、かつてあった仕立て屋さんや左官屋さんの情報を聞く。

左官屋さんがあった場所はほどなく判明。でも、そこは今では廃墟となった飲み屋。
生徒さんの家が引っ越した後、飲み屋さんが入り、その飲み屋もかなり前に閉店したようだった。
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「いや~これは無理かもしれんなぁ」
と思いながらも、飲み屋の跡を寂しげに見上げているおじさんを目にして、また近所のインターホンを鳴らしまくる。「お年寄りがいそうな家ならわかるかも…」

何度目かのピンポン。おばあさんが出てきてくれた家で、
「左官屋さん?」
「うーん…」
「あ、思い出した!引っ越して小沢川を上に行ったとこにいるはずよ!!」

(゜∀゜)キター!!!!

だいたいの場所を聞いて通りに出ると、僕の彼女から事情を聴いたカフェオーナーの先輩も、近くの薬局に聞き込みに行ってくれていた(笑)
信大の絆は強い!

おじさんを助手席に乗せて向かった生徒さんの家。
「生徒さん、おじさんのこと覚えてるかな…」
僕の心配は杞憂だった。

「先生!!……」

僕は少し場をはずした。
聞こえてきたおじさんの言葉が、深かった。

「私はあなたのお父さんから言われたことを今でも覚えてる。『人生、上ばかり見ていちゃダメだ。コツコツとやっていくことが大切なんだ』って。私はそれができなかった……」

おじさんの人生、何があったかはわからない。

それでも、再会を果たしたおじさんの表情は、晴れ晴れとしていた。
同窓会の会場まで送る車中、短い時間だったけどいろんな話をした。
大学卒業後、農業関係の新聞社で記者をしていたそうだ。
親近感で話は盛り上がった。

送り届けて、くだんのカフェでようやくサンドイッチと和歌山ミカンのジュースをいただいた。
旨かった。

本当の目的地だった先輩のカフェは、伊那市駅前の「コーヒーとサンドイッチ おかもと」です。
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by yagitakuma | 2014-11-08 02:56 | 街のhappy news | Comments(0)