アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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ある日突然床下から…

7月も終わりに近づいたある朝。
トイレに入ろうとしたら、床下から

ミャー、ミャー…
と、かぼそい声。

「うわぁー…やられた……」
瞬時に状況が目に浮かびました。

おもむきあるこの建物と歩み始めてから5か月。ずっと周辺に住み着いている猫たちとの格闘が続いていました。3軒隣の住人で、エサをやっている猫おじさんがいて、野良なのか飼い猫なのか区別がつかない10匹ほどの猫が、僕が駐車場として貸してもらっている隣の空き地などで日々を過ごしています。

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猫おじさんが住む長屋です。夏の暑い日はこの日陰に。春先の寒い日は僕の車の上に。こうやって見ている分にはかわいいもんですが。

改装中の旧橋場歯科の建物。空き家になっていた間に猫の居場所になってしまっていたらしく、僕が入ってからも、地下室や地下への通路や軒先に連日糞をされ…。
臭いったらない。

ガラス片をまいても効果なく、猫よけの粒剤をまいてもその上に堂々と糞をされる。ネットで調べても、みんな「ペットボトルなんかまったく効果はなく、犬を放し飼いにするか、猫を捕まえて保健所に持っていくしかない」と。

結局、地下室については猫が入れないようにすきまを完全にふさぐ工事をし、通路や軒先にはべニア板を敷きつめることで糞害はかなり減りました。
ようやく落ち着いたと思った矢先に…

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地下室への入り口です。
声が聞こえた日、床下を探してみたものの、猫の姿はありませんでした。
おかしいな…と思いながら数日留守にして帰ったら、またも子猫の声。

もう一度地下室に降りると、見落としていた穴が!!しかも毛がついている!!!
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いた…。子猫8つ。親、すげー怒ってる。
どっから地下に入ったんだ?
困った。
とても困った。
しかも子猫かわいい。

どうしようどうしようどうしよう…と考えても答えは出ない。
周辺でほかにも猫の糞害に困っている人もいる。ここでは飼えない。
もらってくれる人を探す?
でも売れ残ってしまった子は自分で飼うしかなくなってしまう。


2日悩んで、結局保健所にお願いするしかないという結論になりました。
各地の動物愛護センターでは里親探しにも取り組んでくれているとの思いもあったのですが…。

親がいないすきに
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とりあえず床下から出そう。いっちょ前に威嚇してくるヤツもいる。

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入れないので泣く泣く梁を切り

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突入!
汚い足ですみません。。

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狭い空間を逃げ回る子どもたちを1匹づつ捕まえて…

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出られニャイ

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ホコリだらけになって完了。

保健所に連絡すると、本来は受け入れの曜日が決まっていましたが、困っている僕を見かねたのか「とりあえず持ってきてください」と言っていただきました。

すぐに子猫たちを持参して事情を説明しました。
自分でミルクも飲めない子猫たち。担当してくれた職員さんも「私たちもそこまで世話はできないですし…」と。
この子たちは殺処分になる。

親猫にエサをやっていた猫おじさんは、その日の朝に遠い故郷へと帰ってしまっていました。猫たちを放置して…
少し世間と距離を置いて静かに暮らしていた猫おじさん。糞害を受けても文句を言う気にはなれなかった。でも、こうなるとさすがに腹も立ちます。

担当の職員さんは、「かわいそうですがこの子たちはあきらめて、ほかの大人の猫たちの対策をしてあげてください」と、野良猫を増やさないための活動に取り組んでいる民間団体の連絡先を教えてくれました。その団体は、これ以上子供を産ませないための避妊手術の補助をしてくれるそうです。

長野県で1年間に殺処分される猫の数は約2000匹。大阪などの都会に比べればひとケタ違うくらいに少ないとはいえ、毎日のように多くの命が消えている。多くが避妊をせずに放し飼いにしたり、野良猫にエサをやる行為によって増えた命です。

エサをねだる目の前の猫がかわいくても、残酷な結末になることをもっと考えてほしいです。
by yagitakuma | 2013-08-16 21:55 | 伊那まち はしば | Comments(0)