アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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城下町・高遠で新たな風が

今晩は、伊那市高遠の街づくりを考える「リノベーション高遠まちづくり塾」へ。
全6回の5回目。各地から講師を招き、古民家・空き店舗活用の成功事例について学び、議論を重ねる中で、高遠らしさを活かした手法を模索していくセミナーです。前回から参加させてもらっています。

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会場は、老舗酒蔵「仙醸」の蔵。カッコいい。

今回は、伊那まちで街づくり(しっくりこない言葉ですが…)に取り組むオーガニック雑貨店「ワイルドツリー」の平賀裕子さんのお話でした。

ここ数年で、伊那まちはかなり雰囲気が変わりました。移住してきた平賀さんが古くからの商店主の皆さんを巻き込み、たくさんの人、たくさんの取り組みが、ゆるやかにつながってその風を大きくしている。行政が大きなお金を投入する手法ではないからこそ、今後も継続して関係者が楽しみながらその風を育てていくのではないかと思います。

高遠町の中心部も、「このままではいけない」との声が出ています。
高遠町は、全国的な知名度がある桜の名所・高遠城址公園があり、歴史も趣もある城下町です。
今回のまちづくり塾は、高遠の老舗酒蔵・仙醸の若社長が中心となっており、しかも高遠だけでない若い世代が関わっている。ここから新たな動きが始まる予感がします。

観光という面では、伊那まちより高遠の方がはるかに可能性があると思う。戦国時代の武田VS織田による高遠城落城のストーリーは、外国人観光客にも刺さるでしょう。南アルプスの登山口にもなれる立地です。今ある老舗の商店街の土台の上に、蔵や古民家をリノベーションした新たな店・スポットができれば、訪れる人は必ず増えるはずです。

平賀さんは話の中で、「自分の目先の利益でなく、『みんなで良くなろうよ』、と汗をかく人が何人いるかかな、と思っています」と口にしていました。
その通りだな、と思う。

このまちづくり塾で、地域で足りないもの、ビジネスになりそうなもの、そして使えそうな店や建物をすべて洗い出し、プレーヤーがいなければ募集してみてはどうか。と思っていたら、

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来年2月12日に、高遠で始める「コト」を出し合うフォーラムが開催されるとのこと。誰でも参加でき、誰でもプレゼンできるそうです。これは楽しみだ。

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この江戸時代から残る仙醸蔵という「何かが始まる場」があるだけでも、この地域の可能性を感じてもらえると思います。

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僕も記者時代に、全国各地で手遅れで歯抜けになってしまった歴史ある街並みをたくさん見てきました。歯抜けになり始めたら、一気に衰退が進みます。
高遠は、大きな可能性がある。
伊那市全体のためにも、その価値を活かさなければならないと思います。

自分にできることは何だろう。
# by yagitakuma | 2017-11-30 01:35 | 八木たくまの伊那市議日記 | Comments(0)

「金さえ入れば何でもあり」でよいのか?伊那市の「ふるさと納税返礼品にライザップ」-への見解

伊那市がふるさと納税の返礼品にフィットネスクラブのライザップのプログラムを加えたことが、反響を呼んでいます。
担当部署の「家電に代わる返礼品の柱を」との思いは理解できますが、はっきり言って「恥ずかしい」というのが現時点での私の感覚です。
これは、自治体としての品位の問題だと思う。

理由としては、「金さえ入れば何でもあり」になっている、ということに尽きます。
・返礼品ありきで、ふるさと納税の趣旨に反している
・ライザップと伊那市は何の関係もない
・納税者が伊那に来ることもなく、返礼品による地域への経済効果もない
・「健康都市」とのイメージを狙っているが、ライザップは富裕層の「美容」のイメージが強いのではないか
・伊那市が目指すべきイメージと、ライザップの企業イメージが合致するのか

等々、たくさんあります。

まずは今回の施策の概要を。

ライザップは、都市部を中心にジムを展開しており、トレーナーによるマンツーマンのトレーニングと、糖質制限の食事指導でダイエットする内容。費用は数十万と高額で、芸能人をCMに起用して大々的にPRしています。ちなみに、伊那市にはライザップのジムはなく、長野県内でも長野市内に1カ所だけだと聞いています。

伊那市は昨年度まで、ふるさと納税の返礼品にテレビ等の家電を並べたことで全国トップクラスの多額の寄付を得てきました。4月に総務省から指摘を受けて家電を返礼品からはずし、今年度のふるさと納税の額は前年同期比で7割減となっています。寄付の激減を受けて、担当部署が焦ったのか…

今回のライザップの返礼品は、寄付金額に応じて、全国各地の同社ジムでのダイエットプログラムへの参加やサプリメントなどを受け取ることができるものです。同時に返礼品とは別で、同社による伊那市民向け健康プログラムも実施する-との内容です。市民向けプログラムは、来年1~3月に計8回、60歳以上の市民が対象です。トレーナーが伊那に来て、参加者が適度な運動や食事管理について指導を受けるものです。

ここから問題点を解説します。

ふるさと納税は、地域ならではの産物や体験を返礼品とし、寄付で地域を応援しよう-という趣旨の制度です。地域の特産物やツアー等の体験が返礼品となることで、地域の魅力を知ってもらい、地域に経済効果を生むことが本旨です。
昨年度まで伊那市が返礼品の柱としていた家電も、伊那谷がコンデンサーや抵抗器などの製造業が多く、「地域で家電の部品を生産しているから」との理屈がありました。ところが今回のライザップは、伊那市とは何のつながりもなく、返礼品による経済効果もありません。

都会の富裕層向けに事業を展開する同社と、アルプスに囲まれた伊那市のイメージが合致するとも思えません。伊那市が売るべきものは、豊かな自然を生かした「体験」や「食」など、この地域ならではのものであるべきでしょう。

総務省にも見解を聞いたところ、
「体験型の返礼品は、地域に足を運んで体験するという要素が最低限あるものと思っていた。地域に足を運ばない体験型返礼品は、聞いたことがない。返礼品によって地域の良さがわかったり、地域に雇用が生まれるのが地方創生につながるのであって、返礼品ありきで寄付を集めるようになれば、制度全体への批判につながる」
との回答でした。
もっともな見解です。

私は、国の言うことをすべて聞く必要はないと考えていますが、伊那市は4月に総務省の通知を受けて家電を返礼品からはずした際、白鳥孝市長は「返礼品競争でひずみが大きくなっており、制度全体のことを考えて総務省の意図をくんだ」との内容の説明をしていました。今回の返礼品ありきの方向性は、以前の方針と明らかに矛盾しています。

市のふるさと納税担当の企画部長は「市民の健康増進とセットで、返礼品ありきではない」と強調していますが、今回の伊那市民向けの「健康プログラム」について、健康増進の担当部署は事前に伝えられていなかったようです。このような思い付きの施策が市民の持続的な健康につながるとは思えません。

加えて、このように批判も予想される施策について、市の幹部会である「庁議」にもかけられず、議会への説明もすっ飛ばして担当部署と市長の判断だけで進んでしまったことは、非常に危険です。

今回の件は、地方創生の専門家からも痛烈な批判が上がっています。
他の自治体からも、白い目で見られていることは確実です。
誰が何を言おうと必要な施策は進めるべきですが、私はこのような品位のない施策は強く反対です。
# by yagitakuma | 2017-11-29 16:35 | 闘う議員日記 | Comments(0)

駅前のビルの件、追記です

昨日投稿したJR伊那市駅前の廃墟ビルの件、SNSでたくさんご意見をいただいています。
「もう古くて使えないだろう」「建て直した方がいいのでは」等々。
多くの方が関心を持ってくださっているようなので、追加で状況をご説明します。

大前提として、老朽化が進んでいるこの建物が使用可能かどうかは不明です。

ただ、複数の建築の専門家に外観から判断してもらった限りでは、「お金をかければ使えるのでは」との見解です。ともあれ、まずは建物内部も見て使用可能かどうか判断することが重要。使えるか使えないかわからないまま時間が過ぎるのを傍観していても誰の得にもならない、ということは断言できると思います。
このビルは複雑な事情があって放置されてしまってきましたが、所有者は愛着を持っておられますし、このたたずまいに惚れている人間も少なからずいることも事実です(僕も)。

使えないなら、取り壊す算段と跡地をどうするかを考えねばなりません。
使えるなら、活用方法を考える。

放置すれば、いずれは市民の税金で取り壊すしか手段がなくなる可能性が高いです。使えるのなら、アイデア次第では伊那まちのランドマークに生まれ変わる可能性が出てきます。
今度の内覧が、それを判断する第一歩となればいいとの考えです。

「壊して建て直した方がいいのでは」との意見もあるでしょう。
しかし今の地域の経済状況では、この場所に新たに商業施設を作る民間業者がいるでしょうか。駐車場スペースもなく、介護施設も困難でしょう。加えて、地主さんの関係もあり、新規で何かが建設されることはほぼありえないと考えられます。

以上の理由から、何とか活用する道を探るのがよいのではないか、というのが現時点での僕の判断です。そして、それは民間でしかできません。
# by yagitakuma | 2017-11-29 15:17 | 伊那まち・中心市街地のこと | Comments(0)