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アルプスをつなぐ街から~八木たくま日記

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売れっ子になれよ恋姫イチゴ

今日は大学の後輩の話を。

彼はイチゴ農家の森本恭平君(30)。
4年前に大手乳業メーカーを退職し、自身も研究室で開発にかかわった信州大学農学部生まれのイチゴで勝負する人生を選びました。会社を辞めて伊那に移住したという意味では先輩ですね。彼は愛知県出身です。

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真っ赤な小粒が目に鮮やかな、その名は「恋姫」(こいひめ)。
国内で生産されるイチゴは、大部分が晩秋から春にかけてが収穫期。世間がケーキだケーキだと浮かれるクリスマスが需要のピークですね。それに対して恋姫は夏イチゴ。そして夏イチゴの中で断トツの甘さだそうです!

一昨日、伊那市高遠にある彼のハウスに顔を出したときに、小さな事務室の冷蔵庫から愛おしそうに出してきてくれました。18m×55mもあるデカいハウスが3つもあるのに、たった20粒。まだ少なすぎて出荷はできないとのこと。ありがたくひと粒いただきました。

初物ってなんだか心がウキウキしますね。ずっと「イチゴの農業にチャレンジしてる」と酒の席で話は聞いてたけど、味わうのは初めてでした。甘さと酸味のバランス。果肉もしっかり!
でも本当の実力はまだまだこれからで、真夏から秋にかけてが最もおいしくなるそうです。

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会うたびに「ちょっとひねくれたクマのプーさん」みたいだな、と思ってしまう。
少しとぼけた顔をしてるけど、ハウス3棟にぎっしり並んだ1万2000株を1カ月半かけて黙々と一人で植えたらしい。

ハウスは廃業した花農家のものを借り受け、設備を整えながら徐々に栽培株数を増やしてきた。とはいえ「まだ1人で食ってくのがやっとっす」らしい。たしかに冬はバイトしてたな…。自分も人生の無謀さには自信があるけど、こいつの根性には負けるなぁ。

「なぜ始めたん?」と聞くと、

「トップとれるかもしれないじゃないすか!!」

確かにものすごく可能性がある品種だと思う。しかも信大生まれ伊那育ちというストーリー性と、「信州」という土地としてのブランドもある。
でもすぐ後に
「農業が好きなんすよ」と、ちょっと照れたように言い直してました(笑)

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恋姫はいま、森本をはじめ、僕たちの共通の農学部の先輩ら3農家が生産しています。まだまだ販路拡大はこれからです。知名度が上がり、生産量が増えれば、雇用や観光にもつながるはず。県外のスイーツの店やパーラーなどでも評価が徐々に高まっているとのこと。頑張ってほしい!!

関心を持たれた方は、takuma.yagi.ina@gmail.comまでご連絡をいただければ取り次ぎますので!

それではまた。
by yagitakuma | 2013-06-20 22:45 | いいね!伊那市!! | Comments(0)