アルプスをつなぐ街で~八木たくまの伊那日記

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商店街、なぜ必要??ぜひ読んでほしい記事モドキ

昨年末から、伊那商工会議所と伊那市中心部の商店街店主との勉強会に参加させてもらっています。衰退が続く商店街再生のために何をすべきか-という会です。

商店街活性化については、行政が支援することについて批判もあります。
確かに時代の流れとともに、消えていかざるを得ないものもあるでしょう。

でも、地域がチェーン店ばかりになって良いのか?
地元資本でなければ、地域のお金がどんどん外に流れていってしまう。

都会の企業で一生働く時代が行き詰まりつつある今、地方の小さな商売の店主としての生き方をもっと見直してもいいのではないか?自分らしく生きるために。

勉強会では、伊那の商店街が体現している「これから伊那が大切にしたいもの」について、熱い議論が続いています。地元の商店主より、僕たちIターン組が熱くなっている(笑)

地方都市・伊那が大切にするべきことは、「経済成長」や「競争」ではないと僕は思います。
大切にしたいものとは、「物を大切にする」ことや、「人と人とのつながり」や、「地産地消」や、「ローカルさ」などなど。

そんな視点を持てば、実は商店街には十分な魅力がある。
それをいかにして発信するか、というところに議論が移りつつあります。
そこで、僕に「商店街のストーリーを形にしてほしい」との依頼をいただきました。

ひとつのお店を取り上げ、記事風に形にしてみました。
昨日の勉強会の場でみなさんに読んでいただきましたが、商店主のみなさんは、外部から形にして示してもらった方が自分の店の強みが理解しやすいみたい。

今後、魅力的なお店を紹介するシリーズになるかもしれません。
ネット媒体や冊子等々、どんな形が良いかこれから検討することになりそうです。

読んでいただいて、感想を聞かせていただきたいです。
なぜ商店街が必要なのか伝わっているか。「行ってみよう」と思ってもらえるか…。
自信はないですが、久々に記者に戻れて楽しかった!!

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いいもの長く こだわる暮らしのお手伝い 
                                           内山金物店店主 内山和夫さん(66)

 店の奥の自宅台所には、使い込まれた銅製の卵焼き器がある。
内山さんの妻、裕子さんが嫁入りした三十数年前から使う品だ。「調子よくて、焦げ付いたことないよ」。店頭に並ぶ同じ型の商品は、3000円と決して安くはない。でも、量販店の安価品にはない使い心地と長持ち具合。良いものを長く使う質の高い暮らしと経済性を静かに提案する、そこにこの歴史ある金物店の価値が詰まっている。

 内山さんは、創業140年の5代目店主。商店街のど真ん中の店で生まれ育ち、長男として当たり前のように継いだ。ジャングルのように迫ってくる商品数は、1万を下らない。問屋には「多すぎだ」と言われるという。「絞ったほうが楽だけど、お客さんが『これもある』『こんなのもある』と見てってくれるから減らせない」と笑う。値札や商品説明をつけることもままならない品数だが、店主と会話しながら宝探しのように目当ての商品にたどりつくのも、この店の魅力だ。
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 包丁研ぎ500円。合鍵作りも500円。商店街の店は「高い」「商品が少ない」と思われがちだが、この店は値段も品揃えも量販店に負けていない。しかも「質」へのこだわりは徹底している。日本橋木屋の包丁、アラジンのストーブ、スワダの爪切り。都会で人気のブランド商品が何気なく並び、砥ぎやメンテナンスにも安価で丁寧に応えている。特に刃物の品ぞろえはどこにも負けない自信がある。「刃物は高くてもいいもの売らなきゃダメだ」との祖父の教えが原点だ。「買い換えてもらった方が儲かるけど、長く使ってもらうお手伝いがしたい」と力を込める。
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 朴訥とした語り口で、自己分析では「金儲けは向いてない」。愛想は看板犬の「ロン」に負けている。車社会の地方で、駐車場がないハンデもある。量販店全盛の時代に、周回遅れのように感じる人もいるだろう。しかしこの店の存在は、大量消費の経済が行き詰まりを見せている今、持続可能な未来社会を先取りした最先端の価値観なのかもしれない。
                                                            (八木択真)
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by yagitakuma | 2015-02-04 02:15 | いいね!伊那市!! | Comments(0)