2泊3日で行ってきた経済建設委員会の北海道視察。最終日は雪景色となり、日本は広いなーと実感しました。マジで寒かったっす。
初日は、人口約35万人で北海道第二の都市・旭川市の中心市街地活性化策を視察。
巨費を投じた事業の費用対効果について、いろいろと考えさせられました。
やはり民間が頑張るしかないな、と実感。一方、行政主導の大事業の陰で、近年の伊那まちと同じように個性的な店が増えてきており、よい流れも感じました。
中心市街地の視察では最初に、商工会議所などが市の補助を受けて運営する「まちなか交流館」が企画するツアーに参加。ユーモアを交えた熱の入った解説で、“街マニア”としてはたまらない魅力的なツアーでした。
市中心部のメーンストリートは「買物公園」の名で知られ、幅約20メートルの歩行者専用道路が約1キロにわたって続いています。(伊那でもホコテンエリアがほしい…)
ツアーでは、この公園が旭川駅と旧陸軍第七師団を結ぶ通りとして発展し、昭和47年に全国初の恒久的歩行者専用道路となった商店街の歴史や、かつての街の姿を、往時の写真とともに解説していただきました。
まだこのツアー利用者は少ないようですが、観光客だけでなく地元住民が地域の歴史を理解することにもつながると感じました。伊那でも「伊那まちツアー」をやってみたら面白いかもしれませんね。
こんな変な電柱、はじめて見た…
ビルの看板がよく見えるように、曲がっているそうです。
続いて市役所で、市の中心市街地活性化基本計画の内容と成果について説明を受けました。
この計画は、平成23年にスタート。郊外型大型商業施設の進出などによって衰退が進んだ市街地の活性化を図るもので、公園整備などのハード事業からイベントなどのソフト事業まで、約70の事業を5年計画で展開。駅の高架化などの大事業もあり、国の補助などを含めて計千数百億円を投じています。
結論としては…。
歩行者通行量増加など一定の効果は上がっているものの、費用対効果としては、疑問も感じる内容でした。事業は最終年度に入っていますが、先月には駅前にあった道北唯一の百貨店が閉店したそうです。
コンパクトシティー化や地域経済活性化を掲げて、18年度に国の肝いりで始まり、全国で策定された中心市街地活性化基本計画。これまでに136市が国の認定を受け、国の補助を受けながら事業を進めてきました。総額でいったいどれくらいの予算が投じられたことか…。そして、成功例があまり聞こえてこない取り組みです。
原因は、「行政が街の魅力を創ることは困難」ということに尽きるでしょう。
商売人が「客に喜んでもらえそうなこと」を考え、遊び人が「こんな街なら楽しくなる」ということを考え、行政はそれらの民間の動きをサポートすることが重要。行政が主導してその順序が逆になると、うまくいかない。
旭川市では一方で、おもしろい動きがありました。
駅から距離があったことで空き店舗が増えていた市役所近くの一角で、若い世代や移住者が個性的な飲食・物販などの店をオープンする例が相次いでおり、盛り上がりを見せ始めていました。楽しみながら商売をする「若者、よそ者」が街を変えている。
移住者が開いたチーズ屋さん。
商店街組織の出資によってオープンしたカフェ。
ほかにも、親子で入りたくなる雑貨屋さんや、パチンコ店跡を活用したライブハウスなど、いろんな店ができていました。
伊那で中心市街地活性化に取り組む立場として、とても考えさせられる一日でした。
伊那まちも負けてられない。
いや、伊那はかなりいい流れになっている。
頑張らねば。